作家の嫁、創作に行き詰まっている時は…
結婚5年目。
4歳と2歳の娘がふたり。
夫は作家。物書きです。
いわゆるギョーカイ人です。
そんな私は専業主婦。
毎日、のんびりだらだらと、夫から与えられた幸せを消費しながら、夫の執筆活動を支える生活。
「いいのか、これで⁉︎」
と自問自答の日々。
よくある専業主婦の悩みです。
「夫がサラリーマンの方がよかった!」
と思ったり、
「夫が作家先生でよかった!」
と思ったり。
ここでは、作家の嫁が普段どんなことを考えながら生活しているのか、思いの丈を語っていきたいなと思っています。
早速ですが、クリエイティブな仕事を家でしている伴侶を持つ人、共通の悩みだと思うのですが、「創作に行き詰まっている時の対処方法」についてです。
執筆に行き詰まっている時は、作家の嫁としての才能がかなり問われます。
私が心がけていることは、2つです。
①イラだっている時は、アンタッチャブル
②問われた難題には、全身全霊でレスポンス
この2つです。
当たり前のようですが、ここまで行き着くのに、実は結構かかりました。
まず1つめの、「イラだっている時は、アンタッチャブル」についてです。
作家先生の夫は基本的には完全なる夜型人間。執筆はだいたい私や娘たちが寝静まってからすることが多いです。
しかしながら、締切前や、話が思いつかず切羽詰まっている時は、徹夜のまま一日中執筆している時があります。(いや、しばしば…)
そんな時の夫は、本当にほんとうにホントウニ怖いのです…。
私の母がたまたまその場に居合わせた時に、「あんた、いつもこんななの⁉︎お母さん、怖いから帰る!」と言ったくらいです 笑 (いや、笑えない)
いいお話を思いつかない時の夫は、耳栓をして、般若のようなしかめっ面で、「ふごーふがー」と獣のような唸り声をあげながら、寝室のベッドに倒れこみます。そして、大抵そのままイビキをかいて眠りだし、しばらくの後、ガバッと飛び起きて、「あー、もー、全然なんも思い浮かばへん!」と言うのです。
そして、話しかけても、(耳栓のをしているから聞こえていないのか)無視されるか、凄くめんどくさそうな感じで返事をされます。
夫のこの態度に加え、ほぼワンオペ育児をしている(夫が家にいるのに!)私は、以前は、その度に無視されて悲しい気持ちになったり、イラッとしたりしていました。
ずっと私は、「寝ちゃった言い訳して、なんだいおめーは。」と思っていました。
「いやいや、寝る時間あるなら、娘と遊んでやってくださいよ。」と思っていました。
ただでさえ娘たちと触れ合える時間が少ない夫なので、「忙しい、忙しい」、「全然時間が足りひん」と言いながら昼間にイビキをかいて寝ている姿を見ると、その度、なんとも言えないモヤモヤとイライラを感じていました。
夫の「執筆が進まないイライラ」と私の「寝る暇あるなら育児に参加してくれよイライラ」のダブルパンチで、家の中はなんとも素敵な雰囲気になっていました。
しかしながら、ある時、ふと、こうやって寝てる時は、マジで切羽詰まってる時なんだ、とやっと気づいた私は、それ以来、「触らぬ神に祟りなし」と言うことで、アンタッチャブルを決め込んでいます。
向こうが話しかけてこない限り、お互い空気のように過ごすのです。
ワンオペ育児に対する不満があったので、このことになかなか気づけませんでした。
でも、気づいてからは、「うむうむ。大変なのね。それならば、私は家事育児に集中するわ」と丸く収まるようになったのです。
そして、2つめの「問われた難題には、全身全霊でレスポンス」です。
ご機嫌斜めな夫は完無視する代わりに、これだけは心掛けています。
夫はよく私に、「◯◯なシチュエーションで、××なことが起こるんやけど、なんか思いつく?」的なとても曖昧な、なんとも難しい質問をします。
創作に行き詰まりすぎて、たまに私に助けを求めるのです。
そんな時は、全身全霊をかけて、頭をフル回転させて、返事をするようにしています。そのために、日々、海外ドラマをしこたま観て、ネタ集めをしています。いつでも愛する夫が悩んでいる時に、創作のヒントの引き出しを開けられるように!
深イイようで、全然深イイとこのない話ですが、こんな特殊な感じで、私たち夫婦は関係を保っているのです。